家畜ふん尿の処理方法については、全国に事例がたくさんあるようです。手持ちの資料に掲載されていた、北海道の東藻琴村の事例を調べてみました。
村の人口は約3,000人。農家の戸数は、176戸で、そのうち80戸が畜産を行っています(北海道地域農業研究所の2000年調査による)。
右の表は、2000年の東藻琴村の農業産出額(市町村別推計)です。耕種(畑作)と畜産の生産額がほぼ半分ずつとなっています。ということは、村内に、畑作での肥料の需要があることになります。
ふん尿処理として行っているのは、堆肥化と液肥化。平成5年度から試験を開始して、平成9年度には堆肥センターと液肥センターを建設しています。80戸の畜産農家はすべて処理施設を所有していて、処理しきれないものをセンターに運び込んでいるそうです。
センターができたことによって、畜産農家がふん尿を管理するコストが削減でき、ふん尿処理後の堆肥や液肥は、受け渡しや利用先の自由度が増したそうです。
モモが特に興味をひかれたのは、畑作農家の方々が「土づくり」をスローガンとしてかかげて、センターが中心的な役割を果たしている、というところ。堆肥化しても、使いすぎてしまえば土壌などに悪影響があるそうです。ですので、土壌分析を行って施肥を適正に保つようにしたり、4年周期の輪作を目指すなどの対策も行っているとのこと。
ところで、家畜ふん尿の利用方法を調べていたら、すごい国家戦略にぶちあたりました。
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